コーチングを受けてみたいが、怪しい・どこか胡散臭いとお考えの方もいるのではないでしょうか。お金を騙し取られて詐欺なのではないかと思う人もいるでしょう。
そこで今回は、コーチングが怪しいと言われる理由・信頼できる根拠・怪しいコーチの見分け方・受講前にやるべきことを、実際にコーチング受講者がお伝えします。
コーチングが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそもコーチングとは何か
そもそもコーチングとは、個人や組織が目標(GOAL)を達成するために、専門のコーチがサポートを提供するプロセスのことです。コーチはクライアントの潜在能力を引き出し、自己実現を助ける役割を果たします。
コーチングは質問、フィードバック、行動計画の策定と実行を通じて、コーチング受講者が自己認識を深め、具体的な目標に向けた行動を取るのを支援します。
コーチングの種類は以下のようなものがあります。
- ビジネスコーチング: 経営者やリーダーのパフォーマンス向上を目的とする
- ライフコーチング: 個人の生活全般の目標達成やバランスの改善を支援
- エグゼクティブコーチング: 高級管理職やエグゼクティブに特化したコーチング
- キャリアコーチング: 個人のキャリア発展と職業的成功(仕事)を支援する(転職支援付きもある)
コーチングには種類はたくさんありますが、基本的にコーチングセッションの時間でやることは同じです。
- コーチとの対話で現状把握・自己理解(強みや価値観・want to)
- GOAL・目標設定(定性と定量)
- アクションプランの設定
- 実際にアクション
わかりやすく一言で言うと、自分のなりたい姿へのサポートをしてもらうことです。
コーチングについて理解したところで、コーチングが怪しいと言われる理由を見ておきましょう。
コーチングが怪しい・胡散臭いと言われる理由
コーチングが怪しい・胡散臭いと言われる理由は以下の通りです。
- コーチングの認知度が低いから
- 無形のサービスであるから
- 宗教やネットワークビジネスという誤解があるから
- 自己啓発と混同しているから
- ライフコーチやキャリアコーチなど資格がなくてもコーチと名乗れるため
それぞれ一つずつ詳しく見ていきましょう。
コーチングの認知度が低いから
1つ目はコーチングの認知度がまだ低いからです。コーチングという言葉を耳にするようになったのはここ数年です。
認知度が低いと、一般の人々はその具体的な内容や効果を理解しにくくなります。その結果、コーチングの本質や価値を理解しないまま、未知のサービスとして不信感を抱いてしまいます。
また認知度が低いと、口コミやメディアでの情報が少ないため、効果や実績に対する信頼性が低下します。
私自身がコーチングを知ったのは、認知科学者の苫米地英人さんの本を読んだことがきっかけでした。認知科学に基づくコーチングで有名な方です。
コーチングで頻出してくる言葉の「エフィカシー(ゴールを達成する自己能力の自己評価)」について解説されている動画がYouTubeにあるのでぜひチェックしてみてください。
無形のサービスであるから
コーチングは具体的な形のある商品やサービスではなく、無形のサービスです。
無形であると、直接的な効果や価値を実感するのが難しいため、一般の人は価値を測りにくい傾向があります。
特に、初めてコーチングを受ける人にとっては、具体的な成果がすぐに見えないことが不安要素となり、胡散臭いと感じる原因になるでしょう。
コーチング受講前の私自身も、どこか胡散臭いと感じ、本当に受けて意味があるのか不安でした。
宗教やネットワークビジネスという誤解があるから
コーチングは個人の成長や成功を支援するものであるため、宗教やネットワークビジネスと誤解される場合があります。
特に、自己啓発やモチベーション向上を強調すると、カルト的な宗教活動や疑わしいビジネスモデルと混同されやすいです。このような誤解は、コーチングに対する不信感を増幅させ、怪しいと思われる原因となります。
自己啓発に対する否定的なイメージがあるから
自己啓発には時として、科学的根拠に乏しい方法や誇大広告が含まれることがあります。そのため、自己啓発に対して否定的なイメージを持つ人が少なくありません。
コーチングも自己啓発のくくりに入ることが多いため、「コーチング=自己啓発=怪しい・胡散臭い・宗教っぽい」となっている可能性があります。
ライフコーチやキャリアコーチなど資格がなくてもコーチと名乗れるため
コーチング業界には公的な資格やライセンスが必須ではないため、誰でも「コーチ」と名乗ることが可能です。そのため、質の低いサービスや未熟なコーチが存在する可能性があり、業界全体の信頼性が低下します。
ただし資格があるからといって、コーチとして素晴らしいわけではありません。資格やスクールの卒業実績はコーチングのクオリティ指標のひとつとして、チェックする程度でいいでしょう。実際に資格がなくても、コーチとして素晴らしい成果を残しているコーチもいます。
コーチングは怪しい?信頼できる根拠4選
怪しいと言われるコーチングが信頼できる根拠は以下の4つです。
- コーチングの歴史が深いから
- アメリカではコーチング’が浸透している
- 有名なスポーツ選手や企業がコーチングを受講している
- 実際に受けて成果を出している人がいる
それぞれ一つずつ詳しく説明していきます。
コーチングの歴史が深いから
怪しそうなコーチングですが、実は歴史が深いです。
コーチングの語源はハンガリーの町「コチ」で作られた馬車に由来します。馬車の役割は、「大切な人を、その人が望むところまで送り届ける」ということです。そこから派生してコーチングは「人の目標達成を支援する」という意味が使われるようになっています。
「コーチ」という言葉の発祥の年は諸説あります。早稲田大学の論文によると、コーチという言葉が人に対して使われるようになったのは、1840年代です。イギリスのオックスフォード大学の受験指導する個人教師の呼称として使ったとされています。
そこからスポーツ指導の分野で頻繁に使われるようになり、ビジネス分野でも普及しました。日本では、2000年代初頭に非指示型コーチングが導入され、スポーツからビジネス、教育分野へと広がったとされています。
このようにコーチングは歴史があるため、怪しいものでないと納得がいくでしょう。
アメリカではコーチングが浸透している
アメリカでは、ビジネス分野や教育現場、さらには個人の自己啓発の場でコーチングが広く受け入れられています。市場規模も日本の約50倍とされており、「コーチ」という職業は普通の職業のひとつとして認識されています。
コーチングの専門家団体である国際コーチング連盟(ICF)が認知されており、コーチの資格認定や倫理規定の設定により、質の高いコーチングが提供されています。
有名なスポーツ選手や企業がコーチングを受講している
多くの有名なスポーツ選手や大企業の経営者がコーチングを受けて成功を収めています。
例えば、ゴルフのタイガー・ウッズ選手や、水泳のマイケル・フェルプス選手も受講しています。
また、大企業のリーダーたちも意思決定やリーダーシップスキルの向上のためにコーチングを活用しています。具体例として、パナソニック株式会社・味の素株式会社・楽天株式会社などが挙げられます。
参照:ビジネスコーチ
実際に受けて成果を出している人がいる
コーチングを受けた人々の中には、実際に成果を上げた具体的な事例が多数存在します。
例えば、サラリーマン時代のルーティン動画でバズったAKIOBLOGの中川晃雄さんは、コーチング受講がきっかけで、大きな現実の変容をされています。
2019年12月までに副業で月100万円を稼ぐと目標設定し、2019年6月に副業収入150万円・2019年7月に株式会社を設立と、圧倒的な成果を出しています。
他にも成果を出した人が気になる場合は、晃雄さんが創業された株式会社GOAL-Bの受講者インタビューなどもチェックしてみてください。
次の章では怪しいコーチングか信頼できるコーチングか見分けるためのポイントを、実際のコーチング受講者がお伝えします。
信頼できるコーチングか見分けるためのポイント5選
怪しいとされるコーチングを、信頼できるコーチングか見分けるためのポイントは以下の5つです。
- コーチングについて理解する
- サービスやコーチの実績を確認する
- コーチングサービスの口コミや評判を見る
- 担当コーチの保有資格や卒業スクールを確認してみる
- 体験コーチングやセミナーを受けてみる
それぞれ一つずつ詳しく見ていきましょう。
コーチングについて理解する
まずはコーチングについて理解しましょう。専門家レベルまで深くする必要はありませんが、ある程度コーチングの概念について理解しておくといいでしょう。
コーチングは、クライアントの目標達成や自己実現をサポートするためのプロセスであり、カウンセリングやコンサルティングとは少し異なります。
カウンセリングは過去の問題解決・悩みの解消のために使用されます。過去を振り返り、問題の原因を探り、クライアントが抱える問題を解消する手助けをします。一方コーチングは未来起点であり、クライアントが目指す将来の理想状態を達成するための、行動変容を促すために使用されます。
またコンサルティングはクライアントの現状をヒアリングし、その情報を元に目標達成のための戦略や行動プランを、専門知識を駆使して提供します。コーチングはクライアントとのセッションを通じて、クライアント自身が目標達成の戦略を考え、自ら答えを見つけることを促します。
これらを理解することで、自分が求める支援がコーチングで得られるかどうかを判断できるでしょう。世の中にはカウンセリングタイプでありながら、「コーチング」と謳っているサービスもあります。未来起点や自ら答えを見つけることを促すサービスであるか確認するといいでしょう。
サービスやコーチの実績を確認する
コーチングサービスや個々のコーチがこれまでにどのような実績を持っているかを確認することも重要です。実績の確認方法としては、コーチの経歴や過去のクライアントの成功事例などが挙げられます。
また、コーチが特定の分野で専門知識を持っている場合、その分野での実績も参考になります。例えば、ビジネスコーチングであれば、経営者や起業家の支援経験が豊富であることが信頼性の指標となります。
コーチングサービスの口コミや評判を見る
実際にそのコーチングサービスを利用した人々の口コミや評判を確認することが重要です。口コミサイトやSNS、レビューサイトなどを活用して、実際の利用者の体験談を確認しましょう。
特に、目標達成に成功した人や長期間続けている人の意見は参考になります。また、ネガティブな口コミも確認し、サービスの弱点や問題点を理解することも重要です。
担当コーチの保有資格や卒業スクールを確認してみる
コーチングを行うコーチの資格や、どのスクールを卒業したかを確認することは、そのコーチの専門性や信頼性を判断する重要なポイントです。
国際コーチ連盟(ICF)などの認定資格を持っているコーチや、信頼できるコーチングスクールを卒業しているコーチは、一定の基準を満たしていると考えられます。
受講検討中のコーチの保有している資格や卒業スクールについてチェックしてみるといいでしょう。
体験コーチングやセミナーを受けてみる
コーチングサービスを実際に体験することで、自分に合うかどうかを確認できます。体験コーチングやセミナーに参加することで、コーチのスタイルやアプローチを直接感じることができます。
また、コーチと実際に話すことで、相性や信頼感を確かめることができます。体験やセミナーを受けることで、自分が求めるサポートを得られるかどうかを判断するのが大切です。
コーチングは基本的に高額ですが、体験であれば無料もしくは比較的安く受けられます。気になるコーチングがあったら、体験セッションやセミナーを受けてみるといいでしょう。
無料相談ができるキャリアコーチングサービスは以下の記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。
コーチングが怪しいと感じる人が受ける前にやるべきこと
コーチングが怪しい・胡散臭いと感じる人が受ける前にやるべきことは以下の3つです。
- コーチングを受ける目的を明確にする
- 受けただけでは、人生は変わらないことを認識する
- 複数の体験コーチングを受けて、自分に合ったものを選ぶ
それぞれ一つずつ解説していきます。
コーチングを受ける目的を明確にする
コーチングを受ける目的を明確にしましょう。なぜなら自分にあったコーチングを選べないからです。ライフコーチングやキャリアコーチング、メンタルコーチングなど、コーチングにはいろんな種類があります。
自分が求めているものと、コーチの提供できるコーチングにズレが生じてしまっては、コーチングが機能しません。
また、そもそもコーチング以外のものを利用すべき人もいます。
「動画編集で月5万円稼ぎたい」という明確な目標があるなら、コーチングではなく、動画編集スクールに通うべきです。実際コーチングの受講者で、コーチングを受けてから、何かしらのスクール(英会話スクール・デザイン学校など)に通う人もいます。
そもそもコーチングを受ける目的は何か?という視点に立って、考えてみるといいでしょう。
「モヤモヤしている」「何がしたいか分からない」そういった人は、コーチングを受けることはとてもいいと思います。
受けただけでは、人生は変わらないことを認識する
日本一・世界一のコーチを自分につけたとしても、変わらない人は変わりません。コーチングを受けただけでは、変わらないと認識しておきましょう。
受けるのであれば、どんなコーチがついたとしても、人生を変える覚悟がなければ一生そのままです。コーチは目標達成の支援はしてくれますが、あくまでも行動を起こすのは自分自身です。
読書と同じです。読書をしても、読書の中にあるエッセンスを現実世界で試してみなければ、意味がありません。
コーチングを受けて現実を変化させるには、それなりの覚悟・決断が必要です。「コーチが答えを見つけてくれる」なんて甘い考えを持っている人は、受けないほうがいいでしょう。
複数の体験コーチング・セッションを受けて、自分に合ったものを選ぶ
サービスの口コミや評判が良くても、あなたに合っているとは限りません。コーチングサービスでは、体験セッションを提供しているところが多いので、一度受けてみるといいでしょう。
複数の体験コーチングを受けてから判断するのがおすすめです。
また個人で活躍されているコーチの体験を受けるのもいいでしょう。SNSやYouTube、ブログなどで情報発信されている方が多数います。自分が気になるコーチがいれば、体験を受けられるか、聞いてみるといいでしょう。
まとめ
今回はコーチングが怪しい・胡散臭いと感じる理由や、信頼できるコーチの見分け方、コーチングを受ける前にやるべきことなど解説してきました。
コーチングに対して怪しい・胡散臭いといった不信感を抱いている人は、一度体験コーチングやセッションを受けてみるのがいいと思います。無料でできるところもあるので、ぜひ受けてみてください。