昨今、SNSやメディアで話題になっていて、周囲の環境や他人の感情に対して非常に敏感な特性を持つ人々を「HSP」。HSPにコーチングは有効なのか?受けても意味があるのか?といった疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、HSPにコーチングは有効か・受けるメリットやデメリット・失敗しないコーチング選びについて詳しく解説します。カウンセリングとの違いも解説するので、HSPでコーチングを受けることに興味がある人はぜひ参考にしてください。
HSPとは
HSP(Highly Sensitive Person)とは、簡単に説明すると、他人よりも感受性が強く、環境や周囲の状況に敏感に反応する人のことを指します。HSPの人々は、音や光、匂いなどの刺激に対して敏感であり、些細なことでも深く考え、ストレスを感じやすい傾向があります。
また、他人の感情を察知する能力が高く、共感力が強いのも特徴です。HSPはアメリカの心理学者であるエイレン・N・アーロン博士が提唱し、約5人に1人の割合で存在するとされています。SNSで「HSP」と名乗る方も多く、世間的にも認知が広がってきました。
特別な能力として捉えられることもありますが、同時に過剰な刺激やストレスによって疲れやすくなるため、適切なセルフケアが重要です。自身の特性を理解し、無理をせず、リラックスできる環境を整えることで、HSPの特性をいい方向に活かすことができます。
参照:エイレンアーロン
HSPにコーチングは有効?
HSP(Highly Sensitive Person)の方にとって、コーチングは非常に効果的です。HSPの方は感受性が強く、環境や他人の感情に敏感に反応するため、ストレスや過剰な刺激を感じやすい傾向があります。
コーチングでは、HSPの特性を理解し、その強みを引き出すサポートを行います。具体的には、コーチとの対話を通じて自己理解を深め、「人生をどう生きたいか」や「どのような自分でありたいか」を明確にします。
コーチングを通じて、自分の能力を最大限に発揮できるようになり、自己効力感(セルフ・エフィカシー)が向上します。これにより、自信を持って日々の生活を送り、理想の状態に向けて積極的に行動できるようになります。
コーチングは目標達成を支援し、HSPの特性を強みに変えるための有力な手段です。
※「エフィカシー(ゴールを達成する自己能力の自己評価)」
HSPの方がコーチングを受けるメリット
HSPの方がコーチングを受けるメリットは以下の点が挙げられます。
- 自分らしく生きれるようになる
- HSPの特性を受け入れられるようになる
- やりたいことが明確になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分らしく生きれるようになる
HSP(Highly Sensitive Person)の方がコーチングを受けることで、自分らしく生きることが可能になります。コーチングでは、自己理解を深め、自分の感情や反応のパターンを把握する手助けをします。これにより、自分の特性や強みを理解し、それを生かして日常生活や仕事に取り組むことができるようになります。
自分の感受性を否定せず、むしろそれを個性として受け入れることで、無理なく自然体で過ごすことができるようになります。結果として、自分にとって心地よい選択ができ、より充実した毎日を送ることができるでしょう。
HSPの特性を受け入れられるようになる
コーチングを受けることで、HSPの方は自分の特性を受け入れられるようになります。感受性が強いことは決して弱点ではなく、特有の強みや価値があると理解することが重要です。
コーチングでは、自分の感覚や感情に対する理解を深め、自己効力感を高める支援を行います。これにより、他人と違う自分を否定するのではなく、個性として尊重することができます。HSPの特性を受け入れることで、自己効力感が向上し、より自信を持って行動できるようになるでしょう。
やりたいことが明確になる
コーチングを通じて、HSPの方は自分のやりたいことを明確にすることができます。コーチは質問や対話を通じて、クライアントが本当に望んでいることや価値観を引き出します。
HSPの方は感受性が高いため、周囲の意見や期待に影響されやすいことがありますが、コーチングを受けることで、自分自身の内面と向き合い、真に望む方向性を見つけるサポートを受けられます。
これにより、自己実現に向けた具体的なステップを踏み出し、充実した人生を築くことができるようになります。
HSPの方がコーチングを受けるデメリット
HSPの方がコーチングを受けるデメリットは以下の点が挙げられます。
- 内省するプロセスが必要になる
- コーチとの相性によってコーチングの効果が変化する
- 精神的に負荷がかかる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
内省するプロセスが必要になる
HSP(Highly Sensitive Person)の方がコーチングを受ける際のデメリットの一つは、内省するプロセスが必要になることです。コーチングでは、自分自身の感情や行動パターンを深く掘り下げる作業が不可欠です。これは、HSPの方にとって、時に過去の痛みやトラウマを再び思い出すことになり、感情的に負担がかかることがあります。
内省は自己理解を深めるために重要ですが、その過程が辛く感じられることもあるため、心理的なサポートが必要になる場合があります。
コーチとの相性によってコーチングの効果が変化する
コーチングの効果は、コーチとの相性によって大きく変化します。HSPの方は特に他人の感情や態度に敏感であるため、コーチとの関係がうまくいかない場合、逆にストレスを感じることがあります。
適切なコーチを見つけることが難しい場合や、初めてのコーチと合わないと感じた場合、期待していた効果が得られない可能性があります。そのため、コーチングを受ける際は、コーチとの相性を見極める必要があります。失敗しないコーチングの選び方については後ほど解説します。
精神的に負荷がかかる
コーチングを受けることは、精神的に負荷がかかる場合があります。HSPの方は感受性が強いため、コーチングセッション中に深く感情的な話題に触れると、強いストレスや疲労を感じることがあります。
HSPは問題ありませんが、コーチングサービスの中には、「精神疾患の可能性がある方」を利用対象外としているところもある程です。
また、自己成長を目指す過程で新たなチャレンジや変化に直面することになり、それがプレッシャーとなることもあります。精神的な負荷がかかることを理解し、自分のペースで取り組むことが重要ですが、それでも負担を感じる場合があります。
HSPの方がコーチング選びで失敗しない方法
HSPの方がコーチング選びで失敗しない方法は、主に2つです。
- HSPも対応したプログラムを提供しているコーチングサービスを選ぶ
- 体験セッションを通じて、自分と相性が合うか確認してから申し込む
1つ目は、HSPも対応したプログラムを提供しているコーチングサービスを選ぶことです。
HSPの方にも対応したプログラムで人気なのは、キャリートです。
キャリートとは、自己理解を深め、自分らしいキャリアプランを設計する未来志向のキャリアコーチングサービス。オンラインで無料相談を実施しているので、気になる方は一度チェックしてみるといいでしょう。
2つ目は、体験セッションを通じて、自分と相性が合うか確認してから申し込むことです。それにより、コーチとの相性がわかります。
相性がいいかの判断は容易ではありませんが、相性が良くない判断はできます。「なんか違う」「いまいちピンとこない」と感じたら、安易に契約するのは控えておきましょう。
またサービスによっては、体験セッションのコーチと、契約後に実際に担当してくれるコーチが異なる場合があるので注意しましょう。
無料相談ができるキャリアコーチングサービスは以下の記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。
HSP(繊細さん)からよくある質問
HSP(繊細さん)からのコーチングにまつわるよくある質問として以下のようなものがあります。
- コーチングを受けることはハードルが高い?
- HSPコーチングとHSPカウンセリングの違いは?
- HSPで仕事がつらいときはどうすればいい?
- HSPが向いている仕事は?
それぞれ詳しく見ていきます。
コーチングを受けることはハードルが高い?
HSP(繊細さん)がコーチングを受けることは、最初はハードルが高いと感じるかもしれません。
コーチングは自己理解を深め、成長を促すために自己探求の時間を必要とします。特に、HSPの方は感受性が強いため、新しい人との関わりや自分の内面に向き合うことに不安を感じることが多いです。しかし、信頼できるコーチとの出会いや、自分に合ったペースで取り組むことで、そのハードルは低くなります。
まずは一度、カジュアルな相談から始めることをおすすめします。
HSPコーチングとHSPカウンセリングの違いは?
HSPコーチングとHSPカウンセリングは、目的とアプローチに違いがあります。
コーチングは、目標達成や自己成長をサポートするプロセスで、クライアントの現状をプラスの状態へ持っていくことに重点を置きます。
一方、カウンセリングは、過去の経験・悩みや感情に焦点を当て、心理的な癒しや問題解決を目指します。クライアントのマイナス状態を無くすことに重点を置きます。
コーチングかカウンセリングかで迷っている場合は、自分がどのフェーズにいるか確認するようにしましょう。精神状態が不安定な場合は、カウンセリングを、精神状態は安定していて理想の未来に向かって行動していきたい場合はコーチングを受けるといいでしょう。
HSPで仕事がつらいときはどうすればいい?
HSPで仕事がつらいと感じるときは、まず自分の感受性を理解し、セルフケアを徹底することが大切です。休憩をしっかり取り、リラックスできる時間を確保しましょう。
また、職場の環境を改善するために、上司や同僚とコミュニケーションを図り、自分の状況を伝えることも有効です。
さらに、仕事の優先順位を見直し、過度な負担を避けることも重要です。必要であれば、HSPに理解のあるコーチやカウンセラーに相談し、サポートを受けることもおすすめです。
HSPが向いている仕事は?
HSPが向いている仕事は、感受性や共感力を活かせる職種です。例えば、クリエイティブな分野(ライター、デザイナー、アーティスト)や、人と深く関わる職種(カウンセラー、セラピスト、教師)などが挙げられます。
また、細部に注意を払う能力が求められる職種(編集者、研究者、データ分析)も適しています。自分のペースで働けるフリーランスや在宅勤務の仕事も、HSPにとってはストレスを軽減しやすい選択肢です。自分の強みを活かせる仕事を見つけることで、より充実した職業生活を送ることができます。
やりたい職種が決まっている人は、転職エージェントも活用するといいでしょう。
まとめ
HSP(Highly Sensitive Person)は感受性が強く、環境や他人の感情に敏感です。過度な刺激やストレスを感じやすいですが、適切なセルフケアと自己理解を通じて、その特性を強みに変えることができます。
コーチングはHSPの方に有効で、自己理解を深め、目標達成をサポートします。これにより自己効力感が高まり、自信を持って日々を過ごせるようになります。ただし、内省やコーチとの相性、精神的な負荷といったデメリットもあります。適切なコーチを見つけるために体験セッションを活用しましょう。
HSPに向いている仕事は、感受性や共感力を活かせる職種や、自分のペースで働ける環境が整った職種です。転職エージェントなどを活用して、自分に合った職場やキャリアを見つけましょう。HSPの特性を理解し、適切なサポートを受けることで、より充実した人生を築けます。